血尿とは

健診や病院での尿検査で、「おしっこに血が混じっています」とか「尿潜血陽性です」とかいわれることがあると思います。血尿がある人のうち、およそ40%の人の血尿の原因は不明です。この原因不明の血尿を「特発性腎出血」といい、多くの場合、特に心配する必要はありません。「特発性腎出血」の原因としては、自律神経異常、腎低酸素症、腎血管異常による出血、腎炎、アレルギー、血液凝固能異常による出血などが推定されていますが、原因を特定することは極めて困難です。しかし、血尿は、腫瘍や結石、腎障害などの疾患があるというサインでもありますから、原因をきちんと調べる必要があります。尿に血が混じる、いわゆる血尿は、尿を作る腎臓や尿の通り道の重要な病気のサインです。血尿が発見される頻度は年齢とともに増え、男性に比較して女性に多く見られます。おしっこが赤いなど、尿に血が混じることを目でみて判断できる肉眼的血尿はさらに重要な病気のサインです。たとえば膀胱癌の85%は肉眼的血尿を契機として発見されます。また腎癌でも、最近は検診や人間ドックなどで偶然に発見される症例が増えてきたものの、血尿を契機に見つかることも少なくはありません。いっぽう、目でみて尿の色の変化はわからないものの、尿検査にて血が混じっている状態を顕微鏡的血尿といいます。顕微鏡的血尿でも、がんなどの重要な病気の危険信号の場合がありますので注意が必要です。血尿の原因としては、悪性腫瘍や結石、膀胱炎などの炎症、腎臓の内科的な病気など様々なものがあります。顕微鏡的血尿を起こす主な病気は、腎臓で血液から尿をろ過する糸球体という器官になんからの原因があることがあります。この場合、尿に蛋白が混じっているかが重要なサインになります。また、悪性腫瘍は生命を脅かす危険があるため、早期発見が必要です。そのなかには、膀胱癌、腎癌、前立腺癌、尿管癌、腎盂癌などがありますが、膀胱癌は顕微鏡的血尿で診断される悪性腫瘍の中で最も多いがんです。尿路結石症では、ほとんどの症例で顕微鏡的血尿をともなっています。膀胱炎でも、膿尿と血尿を伴う場合があります。まれではありますが、腎臓の血管の奇形でも血尿をきたすことがあります。

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