高齢者と転倒事故

わが国では、高齢者の人口は急激に増えてきています。そして、元気な高齢者がたくさんおられます。その方々の心配は、病気の発症であります。ガン、循環器疾患(心筋梗塞、脳梗塞など)を気にされています。ひそかに忍び寄るガン、突然襲ってくる、心筋梗塞や脳梗塞などの血管障害です。しかし、実は、転倒事故も高齢者には大変な予後の悪化因子です。高齢者は若い方と比べて、転倒されたときに大けがになることが多いです。これは、転倒したときに、二の足がでて、大きなけがを予防することができないからです。つまり、日頃元気な高齢者も、反射神経は年齢とともに落ちてきています。それゆえ、転倒事故が大きなけがとなります。少しの間、ベッドで安静にしなくてはならなくなると、その短い期間で、急激に筋力が低下したり、痰がつまったりして、大きな病気を併発することになります。転倒事故が致死的な状態になることがあります。高齢者の方はそのあたりはあまり認識されていません。特に元気な高齢者はそうです。自分は大丈夫だということです。

 Apple watchを私は持っていますが、転倒したときに大変便利です。CMにあるように、倒れて意識がないときに、Apple watchは、それを携帯している方に、大丈夫かどうかたずねてきますが、反応がないときは、Apple watchが救急隊に連絡するシステムです。素晴らしい機能です。私は患者さんにApple watchをすること勧めていますが、それで、救急隊に助けていただいた方が実際におられます。

 私もApple watchしていますが、トレッキングで下山中に足を滑らしてこけたときに、Apple watchから大丈夫ですかのメッセージをもらうことがあります。私はこけただけなので、大丈夫だと返答して、救急車を呼ばれることはありません。私はちなみにそのような時の電話は救急隊だけでなく、家内、二人の子供の電話にも連絡されるように設定しています。

また、Apple watchには心電図の機能も付いているので、動悸の原因が不整脈であるかどうか診断できますし、不整脈の種類が単なる期外収縮であるのか、心房細動であるかを診断できます。大変すばらしい機能です。

 世の中の便利なツールは使わなくてはもったいないです。特に高齢者にはお勧めです。

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