ニトログリセリンと狭心症

ニトログリセリンは、狭心症に効果ある薬剤として大変有名です。ただ、狭心症の診断は、臨床の現場では本当は難しく、症状のある時に心電図、または心エコーをしていると、その症状が狭心症かどうかを的確に診断できます。しかし、タイミングよく、その症状のある時に心電図とか、心エコーを取れることは、きわめてむつかしいのが、現状です。それで患者さんにニトログリセリンを渡します。症状のある時に、舌下にいれて、錠剤を溶かしてくださいと言います。ニトログリセリンで症状が改善すれば、その症状は本物の狭心症と診断できます。それで大事なのが、錠剤が舌下で溶けてから、どの程度の時間で効果があるかが大変大事です。本物なら1分か2分で効果があるはずです。舌下に入れてすぐに効果があるとか、溶けてから一時間で症状が改善したというのでは、狭心症とは、考えにくいです。ニトログリセリンは、狭心症の有効な治療薬でもありますが、きわめて重要な診断役でもあります。

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